20090928

TGSレポおまけ

posted by ならむら

時系列を追って書きたかったんですが、取材内容を中心にしていたので書きそびれた話があります。
そんなものどもを最後のレポとしてお届け。



実を言うと、TGSがしょぼんでないかーと思う前に、このロストプラネットで敵と1度も遭遇する事無く操作に戸惑っているだけで終わった事で思いっきりテンション下がってました。
「嫌いだ、ゲームなんて……」
と思うぐらいに。初心者お断りもいいとこなゲームだから仕方が無いのかね。

4回にわたって描いてきたTGSレポですが、これでおしまい。
後は完成に向けて走り続けます。
これからはもっと頻繁に動いている状態の絵や動画も見せられるように頑張ってみますわ。

20090927

TGSレポその3

posted by ならむら

なんというか、今年のタイロンは去年の事を気にしてか、飲みのペースを抑えていたような気がするな!
こっちとしてはレポに描くネタがほしかったんだけどな!

しっかしまー。回数重ねればなんでも慣れるもんですね。
正直、初日のはじめの方は思い返してみても、面白みの無い普通な答が多かったなーと思います。
徐々に慣れて気の聞いた答やウソまじりの会話もしていったので、はからずしも取材相手ごとに話が違うしキャラも変わりましたね。
これらの取材結果は、雑誌はまだ先でしょうがブログはTGSが落ち着いた来週ぐらいからぽろぽろ出てくるんじゃないでしょうか。
答えた内容が、どう編集されるかはその時になるまでわかりません。

ただ、記者にお土産として渡した新作スクリーンショット群はもうすでに各サイトで公開されていたりします。旧版を知る人には結構「おりょりょ?」というものが満載です。

ではラストレポ。



取材どうこうより、メッセの固い床だらけのせいで膝と腰と足の裏がパンパンです。ムダに疲れます。

今回、やたらパロディネタが多いのは「お前が参考にしたゲームはなんだ」の質問の多さに対する反発ですね。
ゲームはあんまりやってねーっつーの。薔薇と椿も別に少女漫画じゃねーよ。
幼い頃に得た漫画、アニメ、テレビ、ハリウッド映画、ゲーム攻略本、いろんな物が血肉となってやってるんです。もう思いっきりインディージョーンズだって答えた回もあったな。
苦笑いされたが、聞かれたんだからちゃんと参考にしたもの答えないとね。

しかし海外の記者さんからの言葉で、かなりテンションは上がりました。
レトロゲームスタイルというジャンルが成り立つ事、このグラフィックはいいぜ!正解だ!、海外のゲーマーはみんなと同じゲームではなく自分だけがやりたいゲームをほしがるのさ、これはみんなが待ってるゲームだ大きく売り出すぜ!っていう数々の言葉。
相変わらず資金は無いままだが、何かもやけた道を進んでいたのが遠くに光が見えるようになった感じです。

ここは見られる事は無いかもしれないが、ここで記者さんたち愉快なコアレトロゲーマー外人たちに感謝。

20090926

TGSレポその2

posted by ならむら

取材なんですが、前日のクリスは日本語が話せるのでよかったんですが、それ以降は英語オンリーになります。

まず向こうが英語で質問して、サミエルさんが通訳して、よくわからなかった時はタイロンに聞いて、タイロンが話した英語日本語まじりをサミエルさんが俺に伝えて、俺が日本語で答えて、サミエルさんが力を振り絞って英訳して記者に答えるという、とんでもない翻訳システムでこなしました。

で、質問された内容の半分以上が現在公式サイトのブログで出ている記事やファンからの質問コメントと同じような内容でした。
「なんでグラフィックも音も新しくしたんだ」
「いつできるんだ」
「LA-MULANAってどういう意味だ」とか。

特に「なんでWiiで出すんだ」の質問が最も多かった。
そげなこといわれても、ウチらはタイロンが「WiiWareで出してよ」というから出すだけでしてね。
最初は答えてましたが、次第にタイロンに理由を話させるようになり、終わり頃には「神の啓示です」と答える始末。

あー、あと「新しいグラフィックは何を参考にしたんだ」てのも多かった。
最初はゲーム名出したけども、何か違うと思って次は遺跡の写真を見せて。
それも何か違うので、3回目ぐらいから「これはMSX50という機種のグラフィックだ」(俺はfiftyと言ったつもりだ)と言い出し、「32bit 2DGAME!」って答えましたね。

ではレポをどうぞ。


初日の取材でわかったことが、どーも海外ではレトロゲームスタイルというジャンルが成立する程ニーズがあるんだそうな。
だからあそこまで旧版のグラフィックが何故残らないのか気にしてたのかもね。
難易度もハードのままにしてほしいと答える人もいたし、初プレイの人向けの配慮は無いのかとも聞かれたなー。
それに呼応して「最強難度に鍛えて送り出すぜー!」と強気に答えておいたんです。

でもなー。
取材してくれた記者さんたち、みんなコアレトロゲームマニアなんだよねー。
好きなゲーム聞いたらもう俺が知らないものモリモリ飛び出すし。
支持してくれてありがたいし自信もつくんだが、全ゲーマーの意見なのかどうかという懸念は消えませんでしたとさ。

20090925

TGSレポその1

posted by ならむら

今年も行きましたね、東京ゲームショウ。
今回は取材を受けるのがメインなのでブースを回る暇はほとんどないと思っていたら、思ってた通りでしたね。

まずはTGSの感想でも軽く書きますとー。
これからゲーム業界に入らんとするペーペーがこんな所でこんな事を書いていいのかわかりませんがー。

まー、なんというかしょぼんでますね。
明らかに去年より規模も小さいし、出展企業が減ってる。アイレムもマーベラスもハドソンも展示が無い。人も少ない。目玉作品が少ない。

これはウチらやコアゲーマーの思い込みかと思ってたんだけども、海外の取材陣と話してて同じ事を思っていたようで、
日本のゲームっていうのはアメリカでもテレビゲームのスタンダードと呼べる程の存在だったそうだ。レトロゲーム時代の話ね。その影響を受けたアメリカのゲームクリエイターは数知れず。
それを形にしていってアメリカゲーム産業は完成度を高めていったそうで。
そういう人たちが最近の日本のゲームの無さにがっかりしているそうで。TGSもウチらと同じような印象を持ったみたいで、代わり映えの無いもの、昔の作品の焼き直し、萌えの氾濫と思ったそうだ。

だからこそ、ウチらみたいなゲームを作る所に頑張ってほしいと思っているみたいで、LA-MULANAの取材と言うよりはNIGOROの取材をするところが多かったです。
「どうしたんだ、どうするつもりなんだ、日本のゲームは」と俺に聞かれても困るんですがね。
でも期待されているのなら頑張りましょうかと気にさせてもらいました。

では恒例の絵日記でレポートをお楽しみください。



すでに公開されているインタビューもあります。1UP.comのジャーミーの記事。
あとIGNにも過去の記事がでてました
懸念した通り、俺の名前が出ていないぜ。
なるほど、英語で喋っていない俺はお付きの社員扱いな訳だな?世界デビュー失敗。

20090923

今年もTGS

posted by ならむら

行きます。

もともとああいう企業主催祭みたいなのはウチのメンバー全員嫌いなんですが、去年は丁度、

あぁ。1年経ったんだね。NiCALISのタイロンに会ってから。
去年の目的はまさしく、WiiでLA-MULANA出さないかい?という話を聞く為に行ったんでした。
俺の上京費用がもったいないのでダレットとの打合せを入れたり、これからコンシュマー業界に入るなら技術系の展示なんかを見て回ろうかと思ったり、飲んだりタコヤキ買ったりゲロかぶったりしに行ったんでした。

今年はおそらく、いろいろなブースを見て回る暇はないでしょうね。

な・ん・と

(・ん・) これ、なんかかわいいな。

えー。ビジネスデイの前後の日も合わせて合計3日間、海外からの取材が9件入ってます。
それ以外の打ち合わせもいくつか。
それはもちろん、そういう人たちもTGSで来日するからなんですが、日本での発売が未定な以上、発売が決まっているアメリカへの広報はしておかないといけない。
もちろん我々にそんなパイプがあるわけないので、向こうが来るなら全て受けますとは言ったんですがね。

それはいいや。息するようにウソをはくのが俺の特技だ。日本語でさえ聞いてくれれば決まってもいない事でもペラペラしゃべってやろう。
目標は9取材全部に違う話をしてやること。
雑誌系は目にする事は無いかもしれないが、WEBメディアは取材したら記事をまとめ次第すぐに公開するのではなかろうか。
問題はそいつらの中に、「カメラまわしてもよかですか」という奴らがいることだ。

あー。
ついに公衆の面前に立つ事になるのだわ。
俺の声も顔も体も笑い方も悪も全てデジタルになって世界を駆け巡るのだわ。
どうせなら奇麗に身支度して偽りの自分に飾り立てて映りたいけども、またあのクソ貧乏くさいニゴロTシャツ着させられるんだわ。エリが立てられないじゃないという以前にエリがないじゃない。
茶髪にしていこうかしら。無造作ヘアーがいいかしら。ヘアー解禁かしら。
青くて丸いかぶり物していくべきかしら。また津田沼で追い返されるんじゃないかしら。

どうせなら9社全部キャラ変えていどんでやろうかいな。
1社目は陽気に、2社目は陰気に、3社目は無言で、4社目は上半身裸で、5社目はムチ持って、6社目はおどおどして。ネタが出ません。

まぁいいわ。
本当にベロが出しっ放しなのかどうか、その目で確かめるがいいわ。

それにしても、また飲むのかしら。

20090920

考古学知識

posted by ならむら

今NIGOROに一番必要な人材。

俺があと2人。たぶんおやつの取り合いでけんかして終わりだ。
そうじゃなくて翻訳。

言うまでもなく、公式サイトで何か記事を書くとなると英文も用意しないといけない。
今のところ関係者周りでやってくれている人がいるわけだが、もう大変。
何が大変かって、俺がもりもり文章を書くからである。

それに加えて、外人のコメント。長い!
本当なら向こうのファンの言葉を聞いて、それに対して何か返してあげたいのだが、長すぎ多すぎで読む気も時間もない。
コメント双方向翻訳してくれるスタッフがほしいわ。

そういう事情もふくめて、公式サイトで一番控えめに続けているのが考古学講座。
結構、公式サイトのキモ企画なんだが、実はあのページにもコメント機能をつけることが出来るんだが、ゲーム作り以上に専門的な内容なので、かじり知識でつらつら書いてる俺に専門的な英語長文が返ってきても怖いのでコメントを切ってある。
それはいいんだが、あの記事の感想をまったく聞けないのは少し寂しかったり。

あの企画、初回3回は公式立ち上げ時に全部公開のつもりでした。
あの企画で何がやりたいかというと、発売までにLA-MULANAをより深く楽しむための知識を入れてもらおうと思ったわけだ。
LA-MULANAの終わりのほうのマップや謎なんて、ネットでいくらでも探せるのだから、いまさら隠すこともあるまい。
それを逆手にとって、新規のスクリーンショットを含めてフィールドの文明違いや考察、関連のある文明とか、Wii版にするにあたって練り直した設定やらを次々出していこうかと思っていたわけだな。

PC版でも多少はあったが、考古学とかトンデモ超文明知識がある人が見るとわかるようなネタが背景にちりばめてあるんですよ。そういうのを自分で探すってのもこのゲームならではじゃないかと思ったのさ。

超文明知識といえば、MUですよ。「名前がないもの」という意味で「無」を連想している人が多いですが、シュメール文明の言葉で「NAME」の語源になった単語です。
ただね。PC版を作ったときに参考にした本を捨ててしまってて、そのあと何冊それ系の本を買っても、検索使っても「MU」が「名前のないもの」ていう情報が見つからなかったの。
Wii版に不確定なものは入れたくないなぁと思いつつ、謎に深くかかわっているのでなんとかしたい。
仕方がないので月間ムーの特別ムックのバックナンバーを注文して、MUに出会うまで繰り返しました。

言葉の意味自体は「名前のないもの」であってた。そのMUを示す象形文字がロケットの形そっくりなので、そこから「空を飛ぶもの」を意味するのでは?というトンデモ理論でした。
ついでに言うと、PC版で「くさび」と呼んでいたアイテム。あれはエジプトで発掘された謎の物体なんだけども、今あれを「くさび」と解説する本はない。というかオーパーツからもはずされた感じ。今ではあれは「ジェド柱」ではないかと言われています。

普通ならここで「トンデモかい!」となかったことにしそうなもんですが、こっちはLA-MULANA。
トンデモ理論が似合うじゃないか。正式採用。

20090914

延々と作り続ける

posted by ならむら


もうみなさんお気づきと思いますが、公式サイトの記事はこの3匹ブログで出てきた記事の再利用です。

そのぐらい楽させろや。

こっちはこっちで気の抜けた記事を書きます。あわよくば公式サイトで再利用出来る記事を。

LA-MULANAの方は、WiiWareで作ろうと決まってからは結構長いので、開発が始まる前に計画を済ませておいたのがここに来て活きてます。
設定だのプログラム仕様だのフォーマットだのを先に可能な範囲で決めてた訳ですね。
さらにはマップやスクリプト、さらに今回はキャラクターのアニメなども専用のツールを作ってます。

上の画像はサミエルさん謹製のスクリプトエディタ「RedCrystal」。なんじゃその名前は。誰だ名前決めた奴は。

俺だ。

ちなみにマップエディタが「MoonStone」、アニメエディタが「MysticDrag」だ。

実はNIGOROという名前が決まる前は我々のコードネームはMoonStoneだったのだ。
MoonStoneといえば、レトロパソコンゲーマーにとっては「出ると言ってたくせに永遠に出なかったソフト」の代名詞だな。
NIGOROのコンセプト自体のレトロゲームの面白さを現在の形にするって言うのにぴったりだと思いましてね。

このツール群、早い段階で制作を依頼しつつも、試しに使ったりとかデバッグ自体は俺がそんなにやってなかったので今でもデバッグしながらの作成になっちゃってる。だってその頃はまだ企画を練り上げている段階だったので手が出せなかったの。
duplexさんが主人公周りで苦戦してますが、主人公の全動作を最初の段階で完成させてしまおうっていう計画でやってます。

サミエルさんの方は敵とか仕掛けを一気に作ってます。敵をプログラムする為には仮グラフィックが必要なんですが、これを仕上げて出来上がるまで別の作業しようとたくらむと、自家製アニメエディタのおかげで作業能率が上がってしまい、すぐさま次のフィールドの仮グラフィックを求められる始末。

そう、先月ぐらいまでは基本段階の制作でひーこらいってましたが、仕様やツールが出そろった事で次々とフィールドのマップグラフィックや敵が仕上がっていくのにひーこら言ってます。

正直な所、7月に発表した段階では導きのマップが半分ぐらい出来た所までしか出来てなくて、このツールが出そろって敵の配置なども可能になってから1ヶ月の間に一気にマップは灼熱洞窟あたりまで手が入ってます。空の水源と灼熱はグラフィックの準備に4日ぐらいしかかかってないかも。

そんな具合でこれから一気に新規グラフィックが見せられるんじゃないのかねーと思っております。

20090905

LA-MULANAグラフィックの描き方

posted by ならむら

前に機会があれば晒すと言っていたので作業の気分転換に晒す。

マップをドット絵として描くのは早い段階であきらめているので、古くはガリウスリメイクの手伝いをした頃に編み出したPhotoshop機能に依存した作り方にしてます。それでもドット絵描くのとどれぐらい違うかと言われるとちょっと作るのが速いぐらいに手間はかかるんですが。


背景のパターンを例にしてみます。これは空の水源の背景の下地を作る所。
実際には40*40ピクセルのパターンになるんですが、まずは4倍の大きさから描き始めます。
湿気があるような、日本の寺の裏にある水場の岩場みたいな水のテカリを出そうぐらいには気を使ってますが、かなりいい加減に描いてます。
どうせこれを縮小するのだから細かく描きません。というか描き込みの稚拙さをPhotoshopの縮小時の補正能力に頼ってアンチエイリアスをかけてもらおうという姑息なやり方だ。

塗り終わったら上下左右につながるように敷き詰めて(これはかなり計画的)、色を付けます。
色付けはグラデーションマップと言うものを使う。黒から白までの色変化を自由に色付け出来るというもの。
黒>暗い青>暗い緑>灰色>鈍い水色みたいなグラデーションを白黒画像の色変化として使うんだな。Photoshop使っててもあまり使われない機能だと思う。
レトロゲームの画面の美しさを研究した結果、リアルな色変化よりも計画的に操作した色変化の方が見栄えがいいと気づいたのでこんなしてます。
でも手間かけた割には導きや地上用に描いた岩場と代わり映えしない。

そんなこともあろうかと日頃撮りためていた写真からコケの画像を持ってきて、縮小前のものに合成する。これをやる事で実際のサイズに縮小した時にムラができる。

実際に使うサイズに縮小するとこうなる。でもまだ水がたれた感じがしない。

そこで自前で縦に伸びたような模様を作ってこれまた重ねる。

これで上下方向にスジが入る。微妙な違いだが、縮小した実際のサイズのこれをマップ上に並べるとなんとなーく縦にスジが入っているように見える。
なんとなーくでいいんだな。

それをマップの層ごとパーツごとに繰り返して出来上がり。
手で描く部分もあれば、手持ちの遺跡写真から岩壁コピーしてレンガ風に並べたりしてます。